Actualとは?ローカルファースト家計簿アプリの使い方・導入方法
オープンソースラボ編集部 ・ 2026年10月7日
Actualとは
Actualは、ローカルファースト設計のオープンソース家計簿アプリです。TypeScriptで開発され、GitHubで29,350スター(2026年10月7日時点)を獲得しており、プライバシー重視の個人向け家計管理ツールとして注目されています。
最大の特徴は、データが最初にあなたのデバイスに保存され、エンドツーエンド暗号化で複数デバイス間で同期される点です。つまり、クラウド企業があなたの家計データを保有しません。100%無料かつオープンソース(MITライセンス)で利用でき、商用の家計簿アプリYNABの代替として検討される選択肢の一つです。
主な特徴・できること
エンベロープ方式による予算管理
Actualは「エンベロープ方式」と呼ばれる予算管理手法を採用しています。毎月のお金に役割を与えることで、計画的に支出をコントロールできます。たとえば「食費」「交通費」「娯楽費」といったカテゴリーに予算を配分し、その枠内で支出を管理する考え方です。
複数デバイス間の同期
ローカルファースト設計により、データはあなたが管理するサーバー(または選択した同期サービス)を経由して暗号化され、スマートフォン・タブレット・パソコン間で自動同期されます。クラウド企業が中央管理するタイプではなく、データの所有権はあなた自身にあります。
銀行明細の自動取得・自動振り分け
銀行明細をインポートして、取引を自動的に適切なカテゴリーへ振り分ける機能に対応しています。手作業での入力を減らし、より正確な家計管理が実現できます。
デスクトップ・スマートフォン・Webでの利用
Windows・Mac・Linux向けのダウンロード可能なデスクトップアプリ↗が提供されているほか、Web版での利用も可能です。またMicrosoft StoreやFlatpakからもインストールできます。
導入方法と料金
Actualは無料で利用できますが、導入方法によって環境構築の手間が異なります。公式の導入ガイド↗では4つの方式が紹介されています。
| 導入方式 | 難易度 | 目安コスト | 対象ユーザー |
|---|---|---|---|
| PikaPods(ワンクリック) | 低 | 約$2/月 | 非技術者向け |
| Fly.io(マネージドホスティング) | 低 | 約$1.50/月 | 簡単セットアップ希望者 |
| Dockerでセルフホスト | 中 | サーバー代 | 技術者向け |
| ローカル用アプリ | 低 | 無料 | 単一デバイスのみ使用 |
PikaPods経由の導入が、非技術者にとって最も推奨されています。ワンクリックでセットアップが完了し、月額約2ドルでサーバー管理の手間がありません。
複数デバイスで同期させたい場合は、PikaPods・Fly.io・Dockerでのセルフホスト構築が必要です。一方、スマートフォンやパソコン1台での使用のみであれば、ローカルアプリ版↗を無料でダウンロードして使用できます。
活用シーン
毎月の支出を予算ベースでコントロールしたい個人
エンベロープ方式は、先に予算を決めてからその枠内で支出する「先決め型」の家計管理に向いています。収入が確定後、食費・住宅費・貯蓄といったカテゴリーに予算配分し、実績を追跡する使い方が効果的です。
家計データの所有権・プライバシーを重視する人
クラウド家計簿では、企業がサーバーにデータを保有します。Actualは、あなたが契約したサーバー経由でエンドツーエンド暗号化で同期されるため、企業によるデータ利用の心配がありません。
複数デバイス(スマートフォン・パソコン)で家計管理したい人
ローカルファースト設計でありながら、複数デバイス間の同期に対応しているため、外出先でスマートフォンに入力し、自宅のパソコンで確認といった利用方法が可能です。
YNABの代替ツールを探している人
YNAB(You Need A Budget)は月額$14.99のサブスクサービスですが、Actualは同じエンベロープ方式を無料で提供するオープンソース代替として検討できます。
デメリット・注意点
セットアップに技術知識が必要な場合がある
複数デバイド同期を実現するには、PikaPods・Fly.io・Dockerなどのクラウドサービスまたはセルフホストの選択が必要です。非技術者向けにはPikaPods経由の導入が推奨されていますが、若干のコスト(月$2程度)が発生します。
サポート体制が限定的
オープンソースコミュニティ駆動のプロジェクトです。公式のコミュニティドキュメント↗やDiscord↗でのサポートが主体となり、商用製品のような優先サポートはありません。
銀行連携機能の対応状況を確認が必要
READMEでは「銀行明細のインポートや取引の自動振り分けに対応」と記載されていますが、対応する金融機関・銀行の詳細は公式ドキュメント↗で確認する必要があります。
データのバックアップ・復旧は自己責任
セルフホスト環境ではサーバーのバックアップ・セキュリティ管理が必要です。データ喪失時の復旧は基本的に自分で対応する必要があります。
よくある質問
Q: 日本の銀行に対応していますか?
A: Actualが日本の銀行API・連携サービスにどの程度対応しているかは、コミュニティドキュメント↗で確認してください。対応していない場合は、銀行の取引履歴をCSV形式でダウンロードして手作業でインポートする方法が考えられます。
Q: スマートフォンアプリはありますか?
A: スマートフォン向けのネイティブアプリはありません。Webブラウザ版を利用するか、公式ドキュメント↗で利用可能な方法を確認してください。
Q: 他の家計簿アプリから移行できますか?
A: 公式では移行ガイド↗が提供されており、他のアプリからのデータ移行方法が説明されています。
Q: 本当に無料ですか?
A: Actual自体は完全無料・オープンソース(MITライセンス)ですが、複数デバイス同期を利用する場合、クラウドホスティング費用(月$1.50〜$2程度)が発生する可能性があります。ローカルアプリ版のみの使用であれば完全無料です。
Q: データセキュリティは大丈夫ですか?
A: Actualはエンドツーエンド暗号化で同期されるため、サーバー管理者でもデータは読み取り不可です。ただしセルフホスト環境ではサーバー自体のセキュリティ管理が重要です。詳細は公式ドキュメント↗を参照してください。
関連ツール
Actualと同様にプライバシーや個人資産管理に焦点を当てたツールとして、以下のオープンソースプロジェクトも検討できます:
まとめ
Actualは、プライバシーを重視しながら、エンベロープ方式で計画的な家計管理をしたい個人向けの無料・オープンソース家計簿アプリです。データが常にあなたのコントロール下に置かれ、複数デバイド間での同期にも対応しています。
非技術者であればPikaPods経由↗の導入(月$2程度)が最も簡単で、技術者ならセルフホストで完全無料での運用も可能です。YNABのような商用家計簿からの移行や、ローカルファーストのツール探索を検討している場合、公式ドキュメント↗とコミュニティ↗での情報収集をお勧めします。
GitHub: https://github.com/actualbudget/actual↗
公式サイト: https://actualbudget.org/↗
ライセンス: MIT(2026年10月7日確認)
公式資料
関連リンク・公式情報
ここで紹介したツールの一次情報(公式サイト・ソースコード)と、オープンソースラボ内の関連ページをまとめました。導入検討の際にご活用ください。
公式サイト・ソースコード(外部リンク)
オープンソースラボの関連ページ(内部リンク)
