NemoClawとは?NVIDIA環境でAIエージェントを安全に実行するための使い方・導入ガイド
オープンソースラボ編集部 ・ 2026年10月8日
NemoClawとは
NemoClaw(ネモクロー)は、NVIDIAが提供するオープンソースの参照実装スタックです。OpenShellサンドボックス環境内でAIエージェントをより安全に実行するための基盤を提供します。
公式ドキュメントによると、以下の特徴を持ちます:
- サンドボックス隔離: OpenShellサンドボックスを使用してAIエージェント実行時の環境を隔離
- 複数のエージェント対応: OpenClaw(デフォルト)、Hermes、LangChain Deep Agents Codeをサポート
- セキュリティ重視: ネットワークポリシー、サンドボックスハードニング、管理された統合機能を備えたセキュリティ制御
- 状態管理: OpenShellで裏付けられた永続化と、CLIによるライフサイクル管理
GitHubリポジトリは2026年10月8日時点で累計22,682スターを獲得しており、活発に開発・保守されています。
NemoClawの主な特徴と機能
サンドボックス実行環境
NemoClaw最大の特徴は、AIエージェントをOpenShellのサンドボックス内で実行することです。これにより、エージェントの動作を隔離し、ホストシステムへのアクセスを制限できます。
公式ドキュメントの「Sandbox Hardening」では、以下のセキュリティ対策が記載されています:
- コンテナセキュリティ測定
- 機能の削減(Linux capability drop)
- プロセス制限
対応するAIエージェント
NemoClawは3種類のAIエージェントをサポートしています:
| エージェント | 用途・特徴 | 対応ドキュメント |
|---|---|---|
| OpenClaw | デフォルトエージェント。コーディングタスク向け | Quickstart with OpenClaw↗ |
| Hermes | 汎用アシスタント。軽量ターミナルでも対応 | Quickstart with Hermes↗ |
| LangChain Deep Agents Code | LangChainベースのエージェント | Quickstart with LangChain Deep Agents Code↗ |
ネットワークポリシー管理
エージェントの外部通信を制御するネットワークポリシー機能を備えています。公式ドキュメントの「Network Policies」では、基本ルール、オペレータ承認フロー、エグレス制御について説明されており、静的・動的なポリシー変更に対応しています。
CLIツールと管理機能
NemoClawは CLIコマンドとエージェント特有のエイリアスを提供します。インストール後は、ガイダンス付きオンボーディング、管理推論、状態永続化、ライフサイクル操作をCLI経由で実行できます。公式のCLI Commands リファレンス↗で全コマンドが記載されています。
導入方法と環境要件
システム要件
NemoClawのインストール前に、公式ドキュメントのPrerequisites↗で以下を確認してください:
- 対応プラットフォーム: サポートされるDGX、Windows Subsystem for Linux(WSL)ホスト
- ハードウェア要件: NVIDIA環境(GPU推奨)
- ソフトウェア要件: 事前準備が必要な場合あり
インストール手順
方法1:ターミナル自動インストール
公式READMEに記載されているインストーラを使用した方法が最も簡便です:
- ターミナルでインストーラを実行
- 推奨設定を承認(Enterキー)するか、カスタマイズを選択
- エージェント、サンドボックス名、推論プロバイダを選択(カスタマイズ時)
- インストール完了後、Quickstartガイド↗に従う
方法2:コーディングエージェントを使用
Cursor、Claude Code、Copilotなどのローカルコーディングエージェントを使用する場合、NemoClaw スタータープロンプト↗を使用できます。このプロンプトはエージェントに対し、以下を指示します:
- NemoClawドキュメントとスキルを参照
- 一度に1つの質問を実施
- コマンド実行は承認後のみ
- シークレット情報をチャットに含めない
方法3:開発環境セットアップ
NemoClawにコントリビュートする場合、ランタイムサンドボックスなしでソースをチェックアウトできます:
./scripts/dev-setup.sh
推論プロバイダの選択
OpenClawを使用する際、推論プロバイダ(AI APIの提供元)を選択する必要があります。公式ドキュメントのChoose an Inference Provider↗でサポート対象プロバイダを確認し、ルーティング推論設定を行えます。
ライセンスと使用条件
NemoClawはApache License 2.0の下で公開されています。これはオープンソースライセンスの中でも比較的自由度が高く、商用利用も可能です。
- 出典:GitHub LICENSE↗
- ライセンスの詳細:MIT、GPLと異なり、コード改変時の同一ライセンス強制がなく、提供者の責任免除が明記されています
セキュリティ脆弱性を発見した場合は、公開Issueではなく、SECURITY.md↗に記載されたプライベートチャネルで報告してください。
活用シーン
AIエージェント開発環境
NemoClawは開発者がOpenClaw、Hermes、LangChain Deep Agents Codeを安全にテスト・実行するための環境を提供します。サンドボックス隔離により、エージェントの誤動作がホストシステムに与える影響を最小化できます。
セキュリティ重視のAIアプリケーション
ネットワークポリシーとサンドボックスハードニング機能により、AIエージェントが外部と通信する際の制御と、システムリソースへのアクセス制限が可能です。エンタープライズ環境で信頼性が求められる用途に適しています。
LangChainやOpenClawの統合
公式ドキュメントのEcosystem↗で説明されているとおり、NemoClawはOpenClaw、OpenShellと組み合わせたスタック環境を構成します。LangChainベースのエージェント開発者は、同じ環境で複数のエージェント実装を統一管理できます。
デメリット・注意点
アルファ版プロジェクト
公式README に「NemoClaw is an alpha project」と記載されており、機能や仕様が予告なく変更される可能性があります。プロダクション環境での使用前に、変更履歴とReleases ページ↗を確認してください。
サポート対応の制限
コミュニティ運営であるため、以下の点が明記されています:
- Issue、Discussion、Pull Requestへの対応はベストエフォート基準
- 回答時間の保証なし
- 本番環境での即時サポートを前提とできない
セットアップ・使用方法の質問はGitHub Discussions↗またはDiscordコミュニティで対応を行っています。
システム環境の限定
対応プラットフォームが限定されます(サポートされるDGX、WSL)。その他の環境での動作は未検証の可能性があります。インストール前にPrerequisites↗で環境対応を必ず確認してください。
セットアップの複雑性
OpenShellなどの依存コンポーネントのインストール・設定が必要です。軽量ターミナル環境ではHermesに対して「nemoclaw-light」スキンが自動インストールされるなど、環境に応じた管理が行われます。セットアップに不明な点がある場合は、Troubleshooting ページ↗で一般的な問題を確認できます。
よくある質問
NemoClawとOpenShellの違いは何ですか?
NemoClawは公式ドキュメントのEcosystem↗で説明されているとおり、OpenShellの上に構築された参照実装スタックです。OpenShellは汎用のサンドボックス環境を提供し、NemoClawはAIエージェント実行に特化した機能(ガイダンス付きオンボーディング、エージェント固有の統合、ネットワークポリシー管理)を追加します。
NemoClawはWindowsで動作しますか?
Windows Subsystem for Linux(WSL)上では対応しています。ネイティブWindows環境での動作は公式に記載されていません。WSL環境をセットアップして使用してください。
サポートされている推論プロバイダはどれですか?
OpenClawを使用する場合、複数の推論プロバイダが対応しています。具体的な対応プロバイダ一覧は、公式ドキュメントのChoose an Inference Provider↗を確認してください。
軽量ターミナル環境ではどのエージェントが推奨されますか?
公式READMEの記載によると、Hermesは軽量ターミナル環境での使用を想定し、自動的に「nemoclaw-light」スキンをインストール・管理します。その他のエージェントについては、公式ドキュメントで詳細な環境要件を確認してください。
セキュリティ脆弱性はどこに報告しますか?
公開GitHubのIssueではなく、SECURITY.md↗に記載されたプライベートチャネルで報告してください。公開報告は脆弱性の悪用を助長するため、絶対に避けてください。
まとめ
NemoClawはNVIDIAが提供する、サンドボックス環境でAIエージェントを安全に実行するための参照実装スタックです。以下の点が主要な特徴です:
- セキュリティ優先: OpenShellサンドボックス、ネットワークポリシー、サンドボックスハードニングにより、エージェント実行の安全性を確保
- 複数エージェント対応: OpenClaw、Hermes、LangChain Deep Agents Codeをサポート
- 管理機能充実: CLIツール、状態永続化、ライフサイクル管理を統一インターフェースで提供
- オープンソース: Apache License 2.0で公開、商用利用も可能
導入にはNVIDIA環境(DGXまたはWSL)が必要で、アルファ版プロジェクトであるため本番環境での使用前に十分な検証が推奨されます。AIエージェント開発環境やセキュリティ重視のアプリケーション環境を構築する際、公式ドキュメントとクイックスタートガイドを参照して導入を進めてください。
関連する他のAIエージェントツールについては、AutoGPTを参照してください。NemoClawの最新情報はGitHubリポジトリのReleases↗と公式ドキュメント↗で確認できます。
公式資料
関連リンク・公式情報
ここで紹介したツールの一次情報(公式サイト・ソースコード)と、オープンソースラボ内の関連ページをまとめました。導入検討の際にご活用ください。
公式サイト・ソースコード(外部リンク)
オープンソースラボの関連ページ(内部リンク)
