データガバナンス比較:Apache Atlas vs DataHub vs OpenMetadata でデータカタログを管理する
オープンソースラボ編集部 ・ 2026年6月14日
データガバナンス比較:Apache Atlas vs DataHub vs OpenMetadata でデータカタログを管理する
🗂️ データの品質・系譜・アクセス制御を一元管理する「データカタログ」は現代のデータ戦略の要。本記事ではOSSの三大ツールを徹底比較します。
データガバナンスとは
データガバナンスとは、組織内のデータ資産を適切に管理・活用するための仕組みです。データカタログ・データ系譜(リネージ)・品質管理・アクセス制御が主な機能です。
主要ツール比較表
| 項目 | Apache Atlas | DataHub | OpenMetadata |
|---|---|---|---|
| ライセンス | Apache 2.0 | Apache 2.0 | Apache 2.0 |
| 初リリース | 2015年 | 2020年 | 2021年 |
| 主な開発元 | Apache/Hortonworks | Collate | |
| データ系譜 | 自動取得 | 自動取得 | 自動取得 |
| UIの使いやすさ | △普通 | ◎優秀 | ◎優秀 |
| REST API | あり | 充実 | 充実 |
| Hadoop連携 | ◎ネイティブ | ○ | ○ |
| クラウド対応 | △ | ◎ | ◎ |
| セットアップ難度 | 高 | 中 | 低〜中 |
各ツールの特徴
Apache Atlas
Hadoopエコシステムのために生まれたデータカタログ。HiveやHDFSとのネイティブ統合が強みで、大規模なオンプレHadoopクラスタを持つ企業に向いています。
主な特徴:
- Apache Hive/HBase/Storm/Kafkaとのネイティブ統合
- タグベースのアクセス制御(Apache Rangerと連携)
- SPQL(グラフクエリ)でメタデータ検索
- Hortonworks/Clouderaとの深い統合
向いているケース: Hadoopベースのオンプレデータ基盤
DataHub
LinkedInが自社のデータ管理のために開発し、2020年にOSS化。豊富なコネクタと優れたUIで急速に普及しています。
主な特徴:
- 200以上のコネクタ(Snowflake、BigQuery、dbt、Kafka等)
- データ系譜のビジュアル化が優秀
- GraphQL APIによる柔軟なクエリ
- Managed SaaSプラン(Acryl Data)もあり
# docker-compose でDataHub起動
version: '3'
services:
datahub-gms:
image: acryldata/datahub-gms:latest
ports:
- "8080:8080"
datahub-frontend:
image: acryldata/datahub-frontend-react:latest
ports:
- "9002:9002"
向いているケース: クラウドデータ基盤(Snowflake・BigQuery等)
OpenMetadata
最も後発ながら、UIの完成度とオールインワン設計で急速に評価を高めています。
主な特徴:
- データ品質テスト(Great Expectationsライクな機能内蔵)
- コラボレーション機能(コメント・タスク・アナウンス)
- dbt統合が優秀
- Kubernetes対応のHelmチャート提供
# OpenMetadata をHelmでデプロイ
helm repo add open-metadata https://helm.open-metadata.org/
helm install openmetadata open-metadata/openmetadata --namespace openmetadata --create-namespace
向いているケース: 新規構築のモダンデータスタック
機能別詳細比較
データ系譜(リネージ)
| 機能 | Atlas | DataHub | OpenMetadata |
|---|---|---|---|
| 列レベルリネージ | △ | ◎ | ◎ |
| クロスプラットフォーム | △ | ◎ | ◎ |
| リアルタイム更新 | ○ | ◎ | ○ |
| ビジュアライゼーション | △ | ◎ | ◎ |
コネクタ数
- Atlas: Hadoopエコシステム中心(20前後)
- DataHub: 200以上(最多)
- OpenMetadata: 80以上(急速に増加中)
選択ガイド
Hadoopオンプレ環境がある
→ Apache Atlas
Snowflake/BigQueryが中心・豊富なコネクタが必要
→ DataHub
新規構築・UIと品質機能重視
→ OpenMetadata
内部リンク
外部リソース
FAQ
Q. データカタログは小規模チームでも必要ですか?
データが5テーブル以上あり、複数人が使う場合は導入を検討してください。OpenMetadataはセットアップが比較的容易です。
Q. dbtを使っている場合はどのツールがおすすめですか?
DataHubとOpenMetadataどちらもdbt統合が優秀です。UIの好みで選んで問題ありません。
Q. Atlas・DataHub・OpenMetadataの移行は可能ですか?
メタデータのエクスポート/インポートは各ツールに標準機能がありますが、完全自動移行は難しいため、段階的な移行を推奨します。
Q. マネージドSaaSはありますか?
DataHubはAcryl Data、OpenMetadataはCollateがマネージドサービスを提供しています。