Whisperとは?OpenAI製無料文字起こしAIの精度・使い方を解説
オープンソースラボ編集部 ・ 2026年6月13日
会議や講演の文字起こしを自動化したいと思ったことはありませんか?Whisperは、OpenAIが2022年に公開した音声認識AIで、高精度な文字起こしが無料で使えます。日本語を含む約100言語に対応し、MITライセンスで商用製品にも組み込み可能です。この記事では、Whisperの仕組み・精度・実際の使い方を初心者向けに解説します。
Whisperとは?3行でわかる概要
- 誰が作った?: OpenAI(ChatGPTと同じ会社)
- 何ができる?: 音声ファイルやマイク入力を高精度にテキスト化
- いくらかかる?: モデル自体は無料(MITライセンス)。処理はローカルPCで行うのでAPIコスト不要
68万時間に及ぶ多言語音声データで学習されており、雑音や訛り、専門用語を含む実環境の音声でも高い精度を発揮します。同名のWhisper APIも提供されていますが、OSSのWhperをローカルで使えばAPIコストはかかりません。
Whisperのモデルサイズと精度の違い
Whisperは5段階のモデルサイズが用意されています。
| モデル | パラメータ数 | 必要VRAM | 速度 | 日本語精度 |
|---|---|---|---|---|
| tiny | 39M | 〜1GB | 最速 | △ |
| base | 74M | 〜1GB | 速い | ○ |
| small | 244M | 〜2GB | 普通 | ○ |
| medium | 769M | 〜5GB | 遅い | ◎ |
| large-v3 | 1550M | 〜10GB | 最遅 | ◎◎ |
日本語の文字起こし精度を重視するならmedium以上が推奨です。GPUなしのCPUのみでも動きますが、処理時間が数倍〜数十倍かかります。
Whisperの主な特徴・できること
多言語対応: 約100言語の音声認識と英語への翻訳に対応。会議で日本語・英語が混在していても自動で識別します。
タイムスタンプ付き出力: 文字起こし結果に発話の開始・終了時刻が含まれるため、動画の字幕生成に直接活用できます。
商用利用可能: MITライセンスのため、自社サービスへの組み込みや商用製品での利用が可能です。
多様な入力形式対応: MP3・MP4・WAV・M4Aなど主要な音声・動画フォーマットに対応しています。
Whisperの使い方:インストールから実行まで
基本的なインストール手順
pip install openai-whisper
FFmpegが別途必要です(音声ファイルの変換用)。
シンプルな実行例
whisper meeting.mp3 --language Japanese --model medium
このコマンド1行で日本語の音声ファイルを文字起こしし、テキスト・SRT(字幕)・VTT形式で結果を保存できます。
GUIで使いたい場合
技術知識なしで使いたい場合はWhisper Web(ブラウザ上で動作)やOpen WebUI(Open WebUI)経由で利用できます。
Whisperと連携するOSSツール
Open WebUI(⭐141,109): ChatGPTライクなUIでWhisperによる音声入力ができます。ローカルLLMと組み合わせることでオフラインの音声AIアシスタントを構築できます。
Khoj(⭐35,081): WhisperとKhojを組み合わせると、音声で自分のナレッジベースに質問できるパーソナルAIアシスタントになります。
Whisperのデメリット・注意点
処理速度: largeモデルはCPUのみだと実時間の数倍〜数十倍の処理時間がかかります。リアルタイム文字起こしには不向きで、録音後の処理に向いています。
話者識別(ダイアライゼーション)非対応: 標準のWhisperは「誰が話したか」を識別しません。話者分離が必要な場合はpyannote.audioなど別ライブラリとの組み合わせが必要です。
長時間音声の精度低下: 非常に長い音声ファイル(数時間以上)は分割処理が推奨です。そのままでは途中で精度が落ちることがあります。
ハルシネーション: まれに実際には発話されていないテキストを出力することがあります。重要な文書は人間による確認が必要です。
よくある質問
Q. GPUがないPCでWhisperは使えますか?
はい、CPUのみでも動作します。ただし処理速度が大幅に低下します。smallモデルなら実用的な速度で動くことが多いです。
Q. Whisper APIとオープンソース版の違いは何ですか?
Whisper APIはOpenAIのクラウドで処理するため料金($0.006/分)がかかりますが、セットアップ不要で高速です。OSSのWhisperはローカル処理のためAPIコスト不要ですが、環境構築が必要です。
Q. リアルタイムで文字起こしできますか?
標準のWhisperはリアルタイムには向いていません。faster-whisperやwhisper-streamingなど高速化ライブラリを使えば疑似リアルタイムに近い体験が可能です。
Q. 商用サービスに組み込んで使っていいですか?
MITライセンスのため商用利用は自由です。ただしOpenAIの商標やロゴの無断使用は別途制限があります。
まとめ
Whisperは、OpenAIが公開した無料で高精度な音声認識OSSです。日本語を含む約100言語に対応し、MITライセンスで商用利用も可能です。GPUがあれば高精度・高速な文字起こしが実現でき、Open WebUIなどのフロントエンドと組み合わせることで、データが外部に出ないオフライン音声AIアシスタントを構築できます。会議の議事録作成・動画字幕生成・音声データ分析などに積極的に活用してみてください。
