AI画像生成 無料で始める:ComfyUIとStable Diffusionの入門
オープンソースラボ編集部 ・ 2026年9月26日
AI画像生成とは、文章を入力するだけでコンピューターが自動で絵や写真のような画像を作ってくれる技術です。どちらも完全無料のOSS(オープンソース)で試せるため、有料サービスに申し込まなくても自分のパソコンで体験できます。この記事では「Stable Diffusion」と「ComfyUI」の仕組みを、非エンジニアにもわかるたとえ話で解説し、具体的な始め方まで紹介します。
AI画像生成って一言で言うと何? まずはたとえ話で理解しよう
AI画像生成を身近なもので例えるなら、「超絵の上手な友人へのリクエスト」 です。「夕焼けの海辺でコーヒーを飲む猫を水彩画風に描いて」と頼むと、その友人が数秒で絵を仕上げてくれるイメージです。実際のAIでは、この「頼む言葉」をプロンプト(呪文とも呼ばれます)と言い、英語で入力するのが基本です。
なぜ英語かというと、AIが学習したデータのほとんどが英語で書かれているからです。「a cat drinking coffee on a sunset beach, watercolor style」のように書くと、AIがその言葉を解析して画像を生成します。難しそうに聞こえますが、翻訳ツールを使って日本語を英語にすれば問題なく使えます。
Stable Diffusionの仕組みをやさしく解説
Stable Diffusionは、拡散モデル(かくさんモデル)という技術をベースにした画像生成AIです。拡散モデルとは、「ノイズだらけの画像から、少しずつ意味のある絵を浮かび上がらせる」仕組みのことです。砂嵐のテレビ画面が、魔法をかけられて少しずつ美しい絵になっていくイメージを持つとわかりやすいでしょう。
| 用語 | 意味(一言解説) |
|---|---|
| プロンプト | AIへの「お願い文」。何を描くか指示する |
| モデル | AIの「画風の記憶」。学習済みデータの塊 |
| サンプリングステップ | 砂嵐→絵に変換する処理の回数。多いほど精緻になる |
| CFGスケール | プロンプトへの従順度。高いと指示通り、低いと自由に描く |
| シード値 | 生成結果の「乱数の種」。同じ値にすると同じ絵が再現できる |
このStable Diffusionは2022年8月にオープンソースとして公開されました。コードも学習ウェイト(AIの知識データ)も無料で公開されているため、世界中の開発者が改良を重ね、今や膨大なコミュニティが形成されています。
具体的に何ができる?活用シーンを見てみよう
AI画像生成は、ビジネスでも個人でも多彩な用途があります。特別なデザインスキルがなくても、以下のような場面で活躍します。
- SNS投稿用のビジュアル作成:ブログのアイキャッチ画像を瞬時に生成
- 商品イメージの仮ラフ作成:デザイナーへの発注前にイメージを共有
- プレゼン資料の挿絵:フリー素材では見つからない独自イメージを作成
- キャラクターデザインの検討:ゲームやキャンペーンのキャラ候補を量産
- 広告バナーの素材作り:背景画像やテクスチャを自動生成
注意点として、生成した画像の商用利用可否は使用するモデルのライセンスによって異なります。無料で使えても商用利用が制限されているモデルもあるため、仕事で使う場合は必ずモデルのライセンスを確認してください。
無料で試せる2つのOSSツール:AUTOMATIC1111版WebUIとComfyUI
Stable Diffusionをパソコンで動かすには、「操作画面」となるソフトウェアが必要です。代表的な無料OSSを2つ紹介します。
AUTOMATIC1111版 Stable Diffusion web UI
Stable Diffusion web UIは、GitHubスター数163,959(2025年時点)を誇る、最も定番のWeb UIです。ライセンスはAGPL-3.0で、ブラウザから操作できるため、プログラミング知識がなくても直感的に使えます。
主な機能:
- txt2img:テキストから画像を生成
- img2img:既存の画像を変換・加工
- インペインティング:画像の一部だけを修正(例:背景を変える)
- アップスケール:画像を高解像度化
- 拡張機能:コミュニティ製のプラグインで機能を追加
日本語の解説情報が非常に多く、「AUTOMATIC1111 インストール」で検索すれば丁寧な日本語ガイドが見つかります。初めてAI画像生成に挑戦する方には、まずこちらから試すことをおすすめします。
ComfyUI
ComfyUIは、GitHubスター数119,185(2025年時点)のノードベースのツールです。ライセンスはGPL-3.0。ノードベースとは、処理の「箱」を線でつなぎ合わせてワークフローを組み立てる方式で、Excelの関数をフローチャートで視覚化したようなイメージです。
最初は少し取っつきにくく感じるかもしれませんが、慣れると非常に強力です。「この設定でこの結果が出た」というワークフローをファイルで保存・共有できるため、同じ画像を再現したり、他の人の設定をそのまま使ったりできます。
| 比較項目 | AUTOMATIC1111版WebUI | ComfyUI |
|---|---|---|
| GitHubスター数 | ⭐163,959 | ⭐119,185 |
| ライセンス | AGPL-3.0 | GPL-3.0 |
| 操作方式 | フォーム入力(直感的) | ノード接続(視覚的) |
| 初心者向き度 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
| カスタマイズ性 | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 日本語情報量 | 非常に多い | 多い |
| 商用組み込み | 不向き | 対応可 |
| 最新モデル対応 | 早い | 非常に早い |
実際に動かすために必要なもの
上のグラフを見ると、両ツールともここ数年で急速にスター数を伸ばしており、コミュニティが活発に成長していることがわかります。
AI画像生成をローカル環境(自分のパソコン)で動かすには、以下が必要です。
ハードウェア面:
- GPU(グラフィックカード):NVIDIA製でVRAM(ビデオメモリ)が最低4GB以上推奨。8GB以上あると快適です。GPU とは、画像処理に特化した計算装置で、AI処理を高速化します。
- RAM(メインメモリ):16GB以上推奨
- 空き容量:モデルファイル1つが2〜7GB程度のため、SSDに20GB以上の空き
ソフトウェア面:
- Python(プログラミング言語):インストール手順に従えばOK
- Git(ファイル管理ツール):同上
- CUDA(NVIDIAのGPU計算ライブラリ):自動でインストールされることも多い
GPUを持っていない場合は、Google Colab(Googleが提供するクラウド上のPython実行環境)を使う方法もあります。無料枠でも試せますが、処理時間や接続維持に制限があります。
生成した画像を動画にしたい場合は FFmpeg も組み合わせると便利です。また、動画関連の処理では obs-studio と連携した活用事例もあります。
よくある誤解・注意点(デメリットも正直に)
AI画像生成を始める前に、よくある誤解と正直なデメリットを確認しておきましょう。
誤解① 「クリックするだけで完璧な絵ができる」 実際には、納得できる画像を得るにはプロンプトの試行錯誤が必要です。最初の1枚が理想通りになることはほとんどなく、プロンプトを修正しながら数十枚以上生成するのが普通です。
誤解② 「全部無料で何でもできる」 ソフトウェアは無料ですが、電気代・GPU代・モデルのライセンス費用が発生する場合があります。商用利用できないモデルも多いため、仕事で使う場合はライセンス確認が必須です。
誤解③ 「低スペックPCでもすぐ動く」 GPUのVRAMが不足すると、生成が非常に遅くなるかエラーになります。VRAM 4GB未満のPCでは現実的な速度での利用が難しいケースが多いです。
倫理・法的リスクについて
- 実在する人物に似た画像の生成は肖像権・プライバシーの問題が生じる可能性があります
- 著作権のある作品に似た絵を商用利用すると著作権侵害になるリスクがあります
- 生成画像の著作権は日本では現状グレーゾーンであり、法律の整備が進んでいます
セキュリティ面: ローカルで動かすため、生成した画像が外部に漏れるリスクは低いですが、悪意のある拡張機能を導入しないよう注意が必要です。信頼できるソースからのみ拡張機能を入手してください。
よくある質問
Q. AI画像生成は完全無料で使えますか?
ソフトウェア(AUTOMATIC1111版WebUI・ComfyUI)は無料のOSSです。ただし、動かすためのGPU搭載PCが必要で、PCを持っていない場合は購入やクラウドサービス利用のコストがかかります。モデルの種類によっては商用利用に費用が発生するものもあります。
Q. MacやWindowsでも動きますか?
どちらも対応しています。ただし、MacはNVIDIA製GPUではなくAppleシリコン(M1/M2/M3)での動作となり、設定手順が異なります。Windowsの場合はNVIDIA GPUが最も動作実績が豊富です。
Q. ComfyUIとAUTOMATIC1111版、どちらから始めるべきですか?
初心者には AUTOMATIC1111版WebUIをおすすめします。 フォーム入力で直感的に操作でき、日本語の解説記事も豊富です。画像生成に慣れてきて、細かくカスタマイズしたくなったタイミングでComfyUIに移行するのが自然な流れです。
Q. 生成した画像はSNSや仕事に使っても大丈夫ですか?
使用するモデルのライセンスによります。個人利用は問題ないものがほとんどですが、商用利用・SNS公開に際してはモデルの利用規約を必ず確認してください。また、AI生成画像であることを明示することが、各プラットフォームのガイドラインで求められる場合もあります。
まとめ:まず触ってみることが一番の近道
AI画像生成は「難しそう」というイメージがありますが、実態はテキストを入力して画像を確認するだけの繰り返しです。専門知識よりも、プロンプトを試行錯誤する好奇心の方がずっと大切です。
今日から始めるためのステップ:
- まずStable Diffusion web UIの公式GitHubを見てみる
- PCのGPUスペックを確認する(タスクマネージャーで確認可能)
- 日本語の導入記事を1本読んでインストールを試みる
- 慣れてきたらComfyUIでワークフローの視覚化に挑戦する
AI画像生成の技術は急速に進化しており、Deep-Live-Camのようなリアルタイム顔合成ツールや、動画処理と組み合わせた活用も広がっています。まずは無料のOSSで試し、自分のユースケースに合った使い方を見つけてみてください。
関連リンク・公式情報
ここで紹介したツールの一次情報(公式サイト・ソースコード)と、オープンソースラボ内の関連ページをまとめました。導入検討の際にご活用ください。
公式サイト・ソースコード(外部リンク)
オープンソースラボの関連ページ(内部リンク)

